野田村に伝わる昔話「撫牛」(なでべこ)。
――ある暑い夏の盛り、野田村から牛の背に塩を積み運んでいた牛方・清右エ門。
盛岡の塩宿まであと少しといったところで、あまりの暑さにたまらず牛が川へ水浴びに入ってしまいます。背に積んでいた塩は川の水に溶けてしまい、頭に血が上った牛方は牛をいじめますが、牛は千手院というお寺へ逃げ込みました。
そこで寺の住職に諭された牛方。しかし時すでに遅く、牛はうずくまり、息も絶え絶え。「許してくれ。おれが悪かった、おれの追い方が悪かったんだ、死ぬな・・・」 涙を流し背を撫でて詫びる牛方でしたが・・・。(「野田塩ベコの道」収録)
牛方・清右エ門は盛岡の名工に、尺五寸(約45cm)、重量十二貫(45kg)の鉄製のベコを作ってもらい、千手院に寄進しました。この小さな牛の像は、現在も盛岡の千手院の本堂に安置されています。
身体堅固、交通安全、災難よけ、子宝と安産・水子観音としてご利益があり、二百年にわたって撫でベコさんは撫でられ愛されてきました。この千手院にある撫でベコを石膏で象り、富山県の製作所で青銅(ブロンズ)に鋳造したものが、ここ野田村にあります。
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