「十府ヶ浦」は緩やかな弧を描いた海岸線が美しく、風光明媚なその景観から都の貴族たちの歌にも詠まれた歌枕ゆかりの景勝地として親しまれています。この浜に多くみられる赤紫色の石(小豆砂)からとって、道の駅のだの観光物産館には「ぱあぷる」と名前が付けられました。
天候さえ良ければ一年を通して水平線から昇ってくる美しい朝日に出会うことができます。夜明けから日の出前にかけてのマジックアワーもおすすめ。野田村にお泊りの際は、ぜひ朝方のお天気や夜明け/日の出の時間をチェックしてみてください。
また条件が揃わないと見るのが難しいですが、「月の出」や「月の道」も絶景です!
みちのくの とふの菅こも七ふには 君をねさせてみふに我ねん
――藤原仲実の「綺語抄」、藤原範兼「和歌童蒙抄」 の中にある作者不詳の古歌
陸奥(みちのく)の 野田の菅ごもかた敷きて 仮寐(かりね)さびしき十府(とふ)の浦風
――「夫木抄」にある道因法師の歌
夜や寒し 菅菰からん 十府の人
――重厚
上の二首は代表的な歌であり、その他多くの和歌が十府ヶ浦を歌枕として作られている。・・・野田の菅薦(すがこも)は、名産として盛岡城下に送られたとされて、この付近にあった沼のほとりには「菅」や「片葉の葦」が生えていたものだと古老達は語っている。(村の歴史文化手帳より)